2012/09/27

くまさんとうさぎさん リターンズ


ここはしずかなしずかなもりのなか。
おや?こかげにおおきなおおきなくろいかげ。

「おなかがすきました……」
ぐううううううううう~
「くまさんくまさんこんにちは」
「やあ。ぶらー。こんにちは。いいおてんきですね」
「はい!とってもとってもいいおてんきですね!いっしょにおでかけしませんか?」
「そうしたいのはやまやまですが……。おなかがすいてうごけないのです」
「それはたいへんたいへんたいへんです!すこしまっててくださいね」
うさぎのぶらーはあっというまにもりのおくへときえていきました。
「おまたせおまたせおまたせです!はいどうぞ。おいしいおいしいおいしいどんぐりです」
ざらざらとぶらーのうでからいっぱいにころがりおちるどんぐりたち。
「ありがとうございます。いただきますね」
かりかり。かりかり。
たくさんのどんぐりをたべて、ようやくくまさんはげんきになりました。
うさぎのぶらーもとってもうれしそう。

しずかなしずかなもりのなか。
おひさまがくものかーてんにかくれてしまったひるさがり。
「くまさんくまさんこんにちは」
「やあ。ぶらー。こんにちは。きょうはあいにくのくもりぞらですね」
「どんなおてんきでもぼくはだいすきだいすきだいすきですよ!いっしょにおでかけしませんか?」
「そうしたいのはやまやまですが……。おなかがすいてうごけないのです」
「それはたいへんたいへんたいへんです!すこしまっててくださいね」
ぶらーはあたりのきぎをみわたして、ちいさなかわいいはなをひくひくとうごかしていました。
「あっちだ!くまさんくまさん。てをひいてあげるのですこしだけあるけますか?」
「はい。だいじょうぶです」
うさぎさんとくまさんはてをつないで、すこしのしげみをかきわけ、すこしだけあるいて、
おおきなたいぼくのねもとにつきました。
「あそこのあそこのあそこのくぼみにはちがすをつくってるんです。たくさんのはちみつがありますよ!」
「ほう。とてもおおきなはちのすですね」
「ぼくはぼくはきのぼりができないのでくまさんをみまもってます」
「わざわざありがとうございます。さっそくとってきますね」
するするときをのぼるくまさん。はちとのそうぜつなしとうのあと、あっというまにてのひらいっぱいのはちみつが。
「あまいあまいあまいです!」
「おいしいですね」
いっしょにあまくておいしいはちみつをたくさんたべて、ぶらーとろんぐあーむはだいまんぞく。

しずかなしずかなもりのなか。
どうぶつたちがすのなかでなかよくねむるうしみつどき。
「くまさんくまさん。こんばんは。もしかしてまたおなかがすいているのですか?」
「やあ。ぶらー。こんばんは。おさっしのとおり、おなかがすいてうごけないのです」
「そうおもって、きょうはぼくのぼくのぼくのとっておきのばしょにつれていってあげます!」
さあ、てをひいてあげますよ、とぶらーはろんぐあーむのおおきなてをきゅっとにぎりました。
「いつもありがとうございます。『とっておきのばしょ』は、どんなところなのですか?」
「みずみずしくてしんせんなしんせんなやさいがあるところです!きれいなみずうみもあるので、
くまさんはそこでおさかなをたべられますよ!」
「おさかなはいいですねえ。でもわたしはいま、おさかなじゃないものがたべたいですねえ」
「くだものもありますよ。きいちごがたくさんなっていて、あまずっぱくてとてもとてもとてもおいしいですよ」
「きいちごもいいですね。ところでぶらーのてはやわらかいですねえ。ふかふかできもちいい」
「とてもいいにおいがして」
「く、くまさん」
「ぷくぷくとして」
「く、くまさ」
「したざわりもよくて」

こうしてうさぎさんはくまさんにたべられてしまいましたとさ。


END