2012/01/24

くまさんとうさぎさん

よいおねえさんのためのえほん。
ロンブラKIGURUMIシリーズです。
続きにSS。





「やあ、くまさん。ここじゃ はじめて みる おかお ですね。
いっしょに あそびませんか?」

「こんにちは。うさぎさん。はじめまして。
いっしょに あそびたい のです が、わたし は あなた とは
いっしょに あそべない のです」

「どうして どうして どうしてですか?」

「わたし には たいせつな ごしゅじんさま が いるのです。
そのかた の おいいつけ で あまり ほかのひと と なかよく しては
ならないと つよく いいつけられている から なのです」

「ふうん。たいへん たいへん たいへん ですねえ。」

「わたし には ながくて するどい つめ が あって、
ちかづく ひと みんな を きず つけて しまうから です」

「ええ? ながくて するどい つめ なんか どこにも みあたりません よ?」

「いま は みえないように しているだけです。いつでも わたし は 
その つめ を だすこと が できるのです」

「そう なんですか。でも でも でも ぼく は あなた と いっしょに あそびたいな」

「わたし が どんなに するどい つめ を もっていても?」

「ええ。つめ なんか どこにも みあたりませんよ」

「あるひ とつぜん いなくなった としても?」

「ええ。たいせつな ごしゅじんさま の ところに かえるだけ でしょ?
それまで いっしょに あそびましょう」

「………………………………………………」

「………………………………………」

「………………………………」

「……くまさん?」

「…………あなたの なまえ は なんと いうのですか?」

「ぼく は 『ぶらー』! この もり いちばん の はやくち で、
かけっこが とっても とっても とっても とくいなんですよ!」

「わたし の なまえ は 『ろんぐあーむ』。どうぞ、よろしく。ぶらー」

「わあい。うれしいな。それじゃあ さっそく なに を して あそびましょうか」

「そうですねえ。なんだか おなか の あたりが もやもや するので
そこの しげみ の おく で すこし だけ やすめたら うれしい の ですが」

「たいへん たいへん たいへん ですね! おなか が いたい の ですか?
それでは そこの しげみ まで いっしょ に いっしょ に いっしょ に
いきましょう」



こうして うさぎさん は くまさん に たべられて しまいましたとさ


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